2018年7月17日火曜日

さしすせその極意


「さしすせその女たち」:椰月美智子氏を読んだ。準キャリアの女性がヒロインで、夫にはまあ普通の夫と一難一女の幼い子供をもつ家庭の話だ。周囲には似て非なる家族が設定され、ひとつにはキャリアバリバリだが、離婚してシングルマザーに苦労する友人家庭。もう片方には、優しく純朴な夫をそれ以上に上手くコントロール出来ている友人家庭。その後者の友人曰く、夫は「さしすせそ」で上手に使えと。流石、知らなかった、素敵、センスが良い、そうなんだ、だそうだ。尤も、ヒロインは夫に対して、不満を沢山溜めていて、それどころではないと言う所がミソで、又、この上手に夫婦生活をこなしてきた後者の家庭は結局は妻の過去の不倫が許されない夫の不寛容さで離婚となってしまう。不寛容さとは随分と女性寄りかもしれないが、夫の浮気が意外に許されてしまう日本社会に置いて、それは妥当な判断なのかもしれない。この話を早速、家人にしたら、男性版のさしすせそは無いのか?と来た。う~ん、同じ言葉を使っても構わない気もするが、直情型で且つ黒白をはっきり付けたがる家人には、こんな悠長な言葉は聞き流されてしまうだけにも思える。魔法のさしすせそは別として、それだけ男は働く母親の大変さを十分には理解せず、愛だ、コミュニケーションだのと迂回策を探ろうとするが、それも限界があるのだ。このヒロインも離婚を念頭にして、既に準備段階に入っている事が文中には暗に示されているのに、夫は結婚記念日用の指輪を用意するという悠長な態度であるからにして、既に破局への道筋が出来上がっているのだ。表紙を飾る写真は数名?のフチ子さんがグラスに乗っかかるものだ。微妙なバランスにいる、現代夫婦を暗示しているのかも。決して、他人事ではない。家事、育児はシェアの時代。女性専用のモノを考えていると、足元を掬われる時代だと、つくづく再認識した次第だ。

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