2018年7月13日金曜日

おかげさまの心を取り戻せるか?


「犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る 侵略に気づいていない日本人」:ペマ・ギャルポ氏を読んでいる。これは中国の覇権主義にのみ言及する書籍ではなく、氏を過去暖かく受け入れた日本人社会の変質も含め、氏が警鐘を鳴らす本だ。章は1)原風景「60年代の日本」、2)チベットの悲劇と日本、3)失われた日本の文化、言語、国家観、4)国際化の流れの中で国際感覚を失った日本人、5)チベット人が見た覇権国家・中国、6)歴史問題と日本の自己責任、7)大東亜会議の意義、8)日本の難民問題と憲法改正、9)おかげさまの復興へ、に分かれる。巻頭に旧?チベット領地が記載されているが、本来の漢民族の領地とほぼ同面積であったことが分かる。今、ここは1949年以降順次中国共産党に併合され、自治州もしくは自治区として存在するのみだ。これ以外に南モンゴル、満州、東トルキスタンも同じ運命だ。氏が指摘するようにチベットの侵略は結局は主の政治を担っていた僧侶たちの平和ボケと嫌キリスト教主義が相まって、中国軍に対して実に120万人という犠牲者をだしながらも侵略されてしまうのだ。こうした背景も含め、氏の日本に対する批判は滅びてしまったチベットの歴史と相まって、金権主義と平和ボケを中心に展開されている。外交音痴は島国故に欠陥だと思うし、何せ米国に守られ、70年間も戦争を起こさず済んだのは、何よりもの幸福だったようにも思えるのだが。但し、今やその覇権主義を露わにしている中国にも、お暗示ような倫理が通じるかと言えば、いささか怪しげであることは流石の日本人も気が付いている。又、朝日新聞を中核とした左派あるいは共産党主義に近いジャーナリスト(有名な本多勝一「中国の旅」)が中国のプロパガンダとして利用された云々は、最近朝日が正式に取り消した吉田証言と重なり、その後のハト派系政治家に受け継がれているのは、今や常識になっている。そうした理不尽な政治家やマスゴミの行動に対し、氏はおかげさまの精神、古来から伝わる宗教への帰依を取り戻すように提案している。要は謙虚さを取り戻し、世界の平和が叶えられるように行動せよと訴えている。重いテーマだし、はいそうですか?と答えられる簡単なものではない。唯し、近くに滅びた国家があり、そしてそれに未だに苦しむ民族が居ることを知ることは大切な歴史問題への理解だと思うが如何だろうか。

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