2014年4月3日木曜日

先週の書評2014・3・30


 先週の書評結果:
「象の墓場」: 楡 周平氏(◎)、 「零戦」:神立尚紀氏(◎)、 「検証 福島原発事故・記者会見3――欺瞞の連鎖」: 木野 龍逸氏(⊿、「 ショパンを嗜む」: 平野 啓一郎氏(◎)。
 大甘評価かもしれないが、どの作品もしっかりとした取材と目的がはっしりしていて良いと思った。楡氏の舞台はこの21世紀、神立氏は戦中だが、どちらも時代は違えど、事実を詳細に残している点に好感を得た。木野氏は少し乱暴だ。東電の体質が悪いと言っても、マスコミだってその取材体制に問題無いのか?と言いたくなる。平野氏は本当にショパン好き。しかも、ご自身でピアノを弾かれるとか。素晴らしい。ついでながら、「象の墓場」は物悲しい。分かっていても既存事業を捨てきれない経営陣、短期利益追求の冷酷な株主等、何処にでもある現代の企業体質だ。
 さて、今週のお題。
「香夜」: 高樹 のぶ子氏、「小さな異邦人」: 連城 三紀彦氏、「さらばスペインの日日」: 逢坂 剛氏、 「教誨師」: 堀川 惠子氏、「中国のブタが世界を動かす」: 柴田 明夫氏、「東大家庭教師が教える 頭が良くなる思考法」:吉永 賢一氏。
冒頭の三人は巨匠だ。コメントするのも恐れ多いが、逢坂氏の小説は最近、文庫本でも多く出版され始め、百舌シリーズがお薦めだ。少しエロスの匂いが漂い、ハードボイルドを書かせたら、この人に叶う人が少ない。氏は有名なスペイン通。スペインのギター収集家で且つ、弾き手でもある。先日、業界紙に書評が載り、この週末に読み切りたいと思っているが、果たして。
 その他は、教養本。教誨師は宗教を無くしたと言われる日本に置ける救いを語る。又、爆食中国の世界的影響度をブタが語り、最後は家人お薦めの東大生のマニュアル本だ。息子を見ていると、塾に通えば、みるみると成績が向上する。逆に言えば、公立学校の勉学ではとても私立学校の受験には耐えられない現実がある。富の偏在が最終的には教育の不均衡をもたらすのは確かだと実感するが、如何だろうか。
 塾の教師が出題の傾向を探り、受験校の教師もしくは試験問題作成者がその裏をかく、その競争の中に、幼いエリートたちがもみくちゃにされる。何ともはや、やるせない時代だ。

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